無想庵コラムCOLUMN

ツワブキ 十二月の茶花

ツワブキ 十二月の茶花

石蕗 (ツワブキ)

ツワブキは、 日本や中国が原産のキク科ツワブキ属に属する常緑多年草です。海岸近くの岩場などに生え、初冬(11月から12月)に黄色い花を咲かせます。フキに似た常緑の葉とキクに似た花が特徴です。葉はフキに似ていますが、フキに比べて厚みがあり、表面には光沢があります。フキとは別種の植物だそうです。名前の由来は、冬でも葉に艶があるので「ツヤブキ」から「ツワブキ」い転じたと言われています。漢字も石という字が使われていますが、岩場など厳しい環境にも咲くので、この漢字が使われているのだそうです。

ツワブキは海岸の崖や岩場に自生していますが、海岸だけでなく庭でも容易に育てられます。観賞価値の高い品種も多く、育てやすいので園芸植物としても人気だそうです。お茶席でも椿以外で咲く花として重宝されています。黄色の鮮やかな色が床を彩ってくれます。葉も大きくつやつやしているので、寒菊より見栄えが良いように思えるので、私はこちらを使いたいですね。

また、昔から民間薬や食用野草として知られ、 ツワブキの若い葉は柔らかく食用にもされています。薬草としても重宝されていたらしく、日本人にとって欠かせない植物だったと思います。

ところで、皆さんはふきつわぶきの違いは何か分かりますか?ふきが夏に葉を広げるのに対し、つわぶきは常緑性で一年中青々としており、ふきより葉が厚くて表面につやがあります。緑色が濃く、茎や葉には綿毛がたくさん付いています。 また、ふきのようにふきのとうは出来ず、秋から晩秋にかけて花茎をのばし黄色い花を咲かせます。 ま、食べれば一緒かも知れませんが…。

俳句では 冬の季語 にもなっています。石蕗と書いて「つわ」とも読まれていて、「石蕗の花(つわのはな)」などと使われています。

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