無想庵コラムCOLUMN

若草 三月のお菓子

若草 三月のお菓子

若草(わかくさ)

四年前の同じく三月に銘として取り上げた若草です。今回は和菓子として若草を取り上げてみます。

松江藩の当主、松平不昧公が茶席で用いたとされるお菓子を、松江の和菓子司、老舗の彩雲堂の初代当主が復刻させたと言われている、松江市の代表的銘菓で、不昧公三大銘の一つとされています。

写真の様に、良質の餅米に砂糖を加えて練り上げた求肥を長方形にして、その周りを緑色の寒梅粉(餅を粉砕した粉)を一面に塗した物です。

不昧公の歌「曇るぞよ 雨ふらぬうち 摘んでおけ 栂尾の山の 春の若草」から採り、若草と命名されたとのことです。

不昧公が茶道の手引書としてまとめた『茶事十二ヶ月』でも春の主菓子として取り上げられていました。いわゆる「不昧公好み」ですね。色合い的にも鮮やかな若草色で如何にも春のお菓子に相応しいですと思います。

あまりお取り寄せはしない人間ですが、なかなか大阪では見当たらないので通販で島根の彩雲堂さんからお取り寄せしてみました。もち系のお菓子が好きなので個人的にも春の茶席に出すイチオシです。

関西人の私としては若草と聞くとどうしても奈良の若草山をイメージしてしまうので、イメージカットで載せておきます(笑)全国的には若草山=シカというイメージでしょうが、人間慣れし過ぎてちょっと図々しいので敢えてシカのいない写真を探してみました。

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