無想庵コラムCOLUMN

送り火 八月のお菓子

送り火 八月のお菓子

送り火

今月の銘が、『送り火』でしたのでその流れで同名のお菓子をご紹介します。

上の写真は、超有名な京都の俵屋吉富(たわらやよしとみ)さんという和菓子屋さんの干菓子です。販売期間も短く7月末くらいからお盆までの季節限定商品で、琥珀糖、煎餅、金平糖が入っています。五山の画が描かれているのが煎餅。粒々の小さい球形のものが金平糖です。

お茶席では、薄茶の時も主菓子という生菓子が用意されていますが、本来薄茶の席は干菓子のみ。夏の暑い時期に餡を使った生菓子よりも、口の中がねっとりしない干菓子の方が喉に通りやすいかも知れません。

写真のセットで1000円ちょっとですから、五人のお客様にお出し出来るので経済的ですね(笑)季節感もバッチリですから、話も広がりやすいです。お茶席でのお菓子は重要な楽しみの一つですから、季節感、食べやすさ、話題性など色々考えて選びたいものです。

知識を増やすためにも、細かい違いを説明しておきます。琥珀糖こはくとう)は、煮て溶かした寒天に砂糖や水あめなどの甘味を加え、色素で色付けして乾燥させた日本の伝統的な和菓子です。 透明感があり、綺麗に色付けされた見た目から、一部では「食べる宝石」と呼ばれているそうです。 (ちょっと持ち上げすぎの感があるけど…)

対して金平糖こんぺいとう)は、砂糖と下味のついた水分を原料に、表面に凹凸状の突起をもつ小球形の菓子となっています。 噛むとシャリシャリとした食感です。 語源はポルトガル語のコンフェイトで、ご存じと思いますが、カステラや有平糖などとともに南蛮菓子としてポルトガルから九州や西日本へ伝えられたとされていますよね。

ただ球形なので懐紙を持ち上げた時にコロコロと転がって畳に落としてしまうことはよくあります。そこは気を付けましょう。

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