無想庵コラムCOLUMN

青丹よし 十二月のお菓子

青丹よし 十二月のお菓子

青丹よし(あおによし)

青丹よしは 奈良の名物で、歴史もあって由緒正しい銘菓です。

寒梅粉」という米粉と、最高級の砂糖である和三盆(わさんぼん)を混ぜて固めて、短冊形に切った落雁(らくがん)の一種です。緑とピンクの2色なのはどこのお店でも一緒ですが、粉砂糖で雲を描いたような模様が入っていたり、「青丹よし」という字が浮き彫りになっていたり、デザインはお店によって色々です。

砂糖と米粉を使った「落雁」だけあって、味はとにかくシンプルでお上品な感じ。口に入れると溶けるような感じで、高級砂糖として有名な和三盆糖の上品な甘さが口に広がります。お茶席で出す主菓子用にはぴったりのお菓子ですね。

「青丹よし」という名前は、 瓦の青色と柱の丹色(にいろ)が美しい奈良の都を表す枕詞(まくらことば)から来ているとのことです。
「青丹よし奈良の都は咲く花の匂うが如く今盛りなり」という歌が万葉集は、古典の授業で出てきたような記憶が有ります。 そういえばテレビドラマにもなった『鹿男あをによし』という、万城目学さんのファンタジー小説がありましたね。

「高級和菓子」だけあってちょっとお高いです。小さな板状のお菓子で、お店によって差があるものの、1枚あたりだいたい100~200円くらいはします。冬だと1か月くらい持つので、日を分けて使えるのが便利かな?(廃棄処分をしなくてもいい💛)

もともとは「真砂糖(まさごとう)」という名前で、色も白でした。法隆寺や中宮寺の御用達だったという、由緒正しいお菓子です。江戸時代になって、有栖川宮が中宮寺に泊まったとき、真砂糖を食べて気にいって、奈良の枕詞から「青丹よし」と命名し、色も淡青と淡紅(=丹)にすると良いとご提案されて、今の名前と色になったそうです。

近鉄奈良駅の南東側の通り、東向き通り沿いに何軒かありますので、奈良に行かれた際は買ってみても良いかもです。百貨店では見かけたこと私は無いです。(大阪市内の百貨店のデパ地下で見かけた方は情報くださいませ)

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